ここではDTMのテクニックからはちょっと外れて、XGなハード音源、MUシリーズのちょっと
役立ちそうな機能、豆知識などを紹介していきます。ただ、ディスプレイパネルの無いタイプの
音源では、面白くも何とも無いモノが殆どですので、あらかじめご留意下さい。
実用性はさておき、お宅のMUを危険なほど可愛がりたい方にオススメしますw
システムモードの「MUTE LOCK」をONにすると、音源リセットを受信しても
パートのミュートが解除されません。ところが、サウンドモジュールモードを
「手動」で切り替えると、LOCK状態でも全てのミュートが解除されます。
システムのマルチイコライザーロック(Mlt EQ Lock)をONにすると、音源
リセットを受信してもイコライザ設定が解除されません。ばかりかEQ関係の
エクスクルーシブメッセージを受信しても、またサウンドモジュールモードを
切り替えても、そのままの状態を維持します。頑固だ(笑
システムの「A/D PART LOCK」をONにして、A/DパートにVARやINSを掛けていても
後からそれらのエクスクルーシブメッセージを受信すると、優先的に受信します。
システムの「M.Tune」はエクスクルーシブで数値を設定した後、音源リセットを
受信するとフラット(+000.0)ではなく「手動操作で設定した値」に戻ります。
GMシステムオン、俗に言う「GMリセット」(F0 7E 7F 09 01 F7)を受信すると、私たちの
MUは「バンクセレクト」がMSB、LSB双方とも機能しなくなり、さらに全NRPNも無効になります。
・・・・と、ここまでは当然なんですが、あろうことか音源パネルの「手動操作」は有効で、
拡張音色に切り替わります。音源リセットを再び受信しない限り、拡張音色のままです。
・・・・と、ここまでは分かりますが、MIDIデータにバンクセレクトが入力されている場合、
それを受信すると、手動操作で切り替えた拡張音色は、なぜか基本音色に戻ります。
・・・・さらに、バンクセレクトLSBに0以外の数値が入力されていると、受信時に
強制的?に0、すなわち基本音色に戻されます。
・・・・が、バンクセレクトMSBは「127」、つまりドラムモードに切り替える命令は有効で、
GMリセット時でもパート10以外をドラムパートに切り替える事が出来ます。
・・・・で、結論。GMレベルで作る時は、ヘタに混乱しないようにバンクセレクトは
始めからデータとして入力しない方が良い、ということです^^;
また、EGやフィルターを操作するコントローラ70番台は普通に機能しますので、純粋な
GM対応データ作成の際にはご注意を。
ギター曲を作っていて、ミュートと実音で音色切り替えを小刻みに行っていた
時に発見した現象です。楽器アイコンのあの小さな窓で世紀の大魔術が!
1. シーケンスデータで、とにかくプログラムチェンジを多数入力します。
*この時、切り替える音色は楽器アイコンが同じ「同カテゴリ」か
プログラムナンバーが同じの「拡張バンク」の音色であることが条件です。
2. 「PART」ボタンでディスプレイ表示をそのデータを再生するパートに合わせます。
3. 「EDIT」ボタンを押してパートエディットのメニュー画面にします。
4. 「1.」のシーケンスデータを演奏させます・・・・・・おぉっ!!!!
*プログラムチェンジの間隔を短くすればするほど、楽器アイコンが原形を
とどめないほどイリュージョンします。尚、EDITモードのメニュー画面で
「ENTER」と「EXIT」を交互に素早く押しても同様の現象を見る事が出来ますが、
ボタンを傷める恐れがあるのでお勧めしません。
*MU1000(たぶん2000も)では音色チェンジによるイリュージョンが起こりません。
よって、後者のスイッチ早押しでしか、この現象を楽しむことが出来ないようです。
しかし、前述の通り、スイッチを痛める恐れがありますのでオススメ出来ません
で、苦肉の策として「エクスクルーシブによるスイッチ押し」で、どうにかこの
現象を再現できます。下がそのMIDIデータです。
楽器アイコンイリュージョンをエクスクルーシブで再現しようデータ
このデータではパート1、楽器アイコンはシンセボイス(#53〜#55)で行っています。
・・・が、このエクスクルーシブ押しVer.はちょっとした問題がありまして、もうお分かりかと
思いますが、MUはエクスクルーシブを受信すると、楽器アイコンの右下に「EX」ランプが
点滅するために、楽器アイコンが見づらくなってしまうのです。しかし、それさえ我慢できれば
あなたもこのイリュージョンの世界を十分堪能できるはずです。
尚、画面上部では、プレイ画面とエディット画面が楽器アイコン以上にチカチカ切り替わって
かなりウザイので、その部分だけ何か適当なもので覆うと良いでしょう。
ドラムパートは楽器アイコンに「ドラムセット」の絵が表示されますね。
よく見るとこのアイコン、ノートを受信すると動きます。データを再生している
間はまるで踊っているようです。ハッキリ言って気持ち悪いです(笑
ちなみに「MU50」ではこの現象が起きません。MU100以降の機種から
見られるようですが、もしかしたらMU90からかもしれません。情報を
お待ちしていますm(_)m
電源を入れた時、「Welcome to MU100 Please Wait」と表示され、下の楽器アイコンの
所にちょっとしたアニメーションが入ります。パターンはランダムで数通り(セクシー?な
唇やドア)あるようです。普段何気なく電源ONにしてる方はこれからはディスプレイに注目です。
この他、電源を入れたまま、何もしない(MIDIメッセージも受信しない)状態が
一定時間続くと、楽器アイコンの所にキツネ(注:「ミュートン」という名前がついてる
そうです)が出てきて小粋なアクションをします。上位機種ではこのアクションの
バリエーションが増えている、という話もあるようです。
ともあれ、時には作曲の手を休めて、ただボーッとディスプレイを眺めるのもまた一興でしょう。
XG規格の前身ともいえる機能を備えたYAMAHAの音源「TG300」。そのTG300の
「GM-Bモード」こそ、いわずとしれた「TG300B」モードなのです。
某R社のGS音源とほぼパラメータ互換を持たせるという、夢のような?機能ですが、
MUシリーズにおいては、サウンドモジュールモード上で手動で「TG300B」に切り
替えるのと、エクスクルーシブメッセージの「GSリセット」を受信するのとでは、
多少意味合いが異なるようです。ここではその相違点をチェックしてみましょう。
1. リバーブエフェクト
リバーブマクロ(種類)が手動の場合は「HALL1」が選択されますが、GSリセットの
場合は「HALL2」にセットされます・・・ところが、リバーブタイムなどの各種パラメータは
「HALL1」のそれと同じなります。
2. バリエーションエフェクト
「DELAY LCR」は両者で変わりませんが、バリエーションコネクトが手動ではインサーション、
GSリセットでは、システムになります。GSではディレイエフェクトが搭載されていて、CC#94で
扱うのですが、それを再現している、というワケですね。
なお、これとは別に「TG300B」モードにおいては、プログラムチェンジにおいて
GS音源との互換性を少しでも高めるため(と思われる)措置が取られています。
例えば、プログラムナンバー55番の「Voice Ooh」が「Voice Doo(*MU80以上)」に、
#67の「Tenor Sax」が「Tenor Sax2」になっています。基本の128音色の一部が、こっそり
拡張バンクの音色と入れ替わってる、ということです。
*「Voice Doo」はMU80以上の機種から搭載されているので、MU50(S-YXG50)クラスの
音源ではTG300Bモードでも「Voice Ooh」になります。
尚、手動&GSリセットに関わらず、TG300Bモードでは、XGのエフェクト(バリエーション&
インサーション)は普通に使えます。
また当然?ながら、ショーエクスクルーシブはXG系の物が表示されます。
ショーエクスクルーシブのENTERボタンのダブルクリックの間隔は遅くても大丈夫です。
これに限らず、ボタンは傷めないように、常にやさしく押してあげましょう。
エクスクルーシブメッセージを用いると、パネル右側についているスイッチを指で触れる
ことなく操作することが可能です。これを利用して、あなたのMUを勝手にチカチカ
光らせてあげましょう。
「〜光の世界へようこそ〜MUイルミネーション」プログラムデータ、といってもMIDIファイルですよ。
データでは「EDIT」→「UTLTITY」→「EFFECT」→「MODE」→「EQ(MU80以上)」
→「PLAY」の順にボタンが自動で押されます。部屋の明かりを消し、
さらにメインディスプレイを黒い布などで覆い隠せば、幻想的な光の世界へと誘ってくれます(谷
MU100はバリエーションの他、インサーションが2基搭載されていますが、使用エフェクトの
組み合わせによっては、正常に動作しないパラメータがあるようです。
インサーション2に「ENSMBLE DETUNE」をセットした場合、「Dry/Wet」の設定がうまく行きません。
エクスクルーシブを受信しても反応せず、あろうことかインサーション1の使用エフェクトの
「Dry/Wet」の設定値をそのまま受け継いでしまいます。そこでインサーション2の「Dry/Wet」を
手動で数値を増減させると、今度はインサーション1の「Dry/Wet」にも反映されてしまいます。
インサーション1に「Dry/Wet」のパラメータの無いエフェクト(コンプレッサーなど)をセットした
場合、この現象は起こらなくなります。
今のところ確認しているのはこれだけですが、他にも不具合を起こす組み合わせがあるかもしれません。
というわけで、INS2に「ENSMBLE DETUNE」を使う際にはくれぐれもご注意下さい。